2025/12/07 22:00

ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは?

― しくみ・治療・鍼灸マッサージの役割 ―

ALSは、運動ニューロン(筋肉を動かす神経細胞)が徐々に弱っていく病気です。手足が動かしにくくなる、話しづらくなる、呼吸がしづらいといった症状が進行します。
原因はひとつではなく、細胞のエネルギー不足、炎症、たんぱく質の異常、遺伝子の変化など、複数の要因が関係すると考えられています。現在の治療は、主に次の2つの柱で成り立っています。

① 進行を遅らせる治療

ALSそのものの進行をゆるやかにする薬として

  • リルゾール(神経細胞への負担を軽くする)

  • エダラボン(酸化ストレスを減らす)
    が広く使われています。
    さらに、SOD1遺伝子の異常が原因のタイプに対しては、トフセンという新しい遺伝子治療薬も利用され始めています。

② 生活の質(QOL)を保つ治療

呼吸サポート、栄養管理、リハビリなどの支持療法は、ALS患者さんの生活を大きく支える非常に重要な治療です。

鍼灸・マッサージの役割

鍼灸やあん摩マッサージ指圧は、ALSの進行を止める目的ではなく、症状を軽くするための補助的なケアとして利用されます。

研究では、

  • 筋肉のこわばり

  • 痛み

  • 疲労感

  • 睡眠の質

などが改善した例が報告されています。神経細胞そのものを回復させる効果は確認されていませんが、日常のつらさを軽くし、リラックスを促す点で有用と考えられます。

安全に利用するために

ALSは体力や呼吸機能が下がりやすいため、

  • 必ず主治医に相談すること

  • 強すぎる刺激や無理な姿勢は避けること

  • 短時間で負担の少ない施術にすること
    が大切です。

鍼灸やマッサージは、医学的治療を補う**「症状緩和のパートナー」**としてお手伝いします。