2025/11/28 14:25


【噛みしめ(くいしばり)の原因と治療】

医学的アプローチと鍼灸での改善方法をわかりやすく解説します

「仕事中に気づくと歯を強く噛みしめている」「朝起きるとあごが重い」
そんな症状が続く方は、**噛みしめ(ブラキシズム)**が起きている可能性があります。
現代ではストレスや姿勢習慣の影響で、とても増えているお悩みです。

ここでは医学的な原因・治療法と、鍼灸施術による改善について分かりやすくまとめました。


■ 噛みしめ(ブラキシズム)とは?

噛みしめは、睡眠中や日中に無意識で歯を強く噛みしめてしまう状態です。
放置すると、

  • 顎関節症

  • 咬筋(こうきん)やこめかみの痛み

  • 頭痛・肩こり

  • 歯の摩耗・知覚過敏
    など、全身へ影響が広がることがあります。

医学的には、ストレス・睡眠・噛み合わせ・姿勢などが複合的に関係しているとされています。


■ 医学的にわかっている原因

噛みしめは単なるクセではなく、身体の反応として起こります。

● 原因として多いもの

  • 精神的ストレス・緊張

  • 長時間のPC作業による姿勢の乱れ

  • 噛み合わせの不調和

  • 睡眠の質の低下

  • 生活習慣(集中時に歯を食いしばる癖など)

特に、ストレスがかかると咬筋や側頭筋が硬くなり、噛みしめの悪循環が起こりやすくなります。


■ 医学的な治療方法

噛みしめの治療は、歯科と医療の両面で行われます。

① マウスピース(ナイトガード)

睡眠中の歯の摩耗を防ぎ、顎関節への負担を軽減します。

② 筋肉への理学療法

咬筋や側頭筋へのストレッチ、温熱療法などで筋緊張を緩和します。

③ 薬物療法

痛みが強い場合は、筋弛緩薬・消炎鎮痛剤などが短期間使用されることもあります。

④ 心理的アプローチ

ストレスマネジメント、睡眠の改善、認知行動療法(CBT)が有効とされています。


■ 鍼灸による噛みしめ緩和のアプローチ

鍼灸では、噛みしめによって硬くなった咬筋・側頭筋・首肩周囲の筋肉をやわらげ、
血流改善・自律神経の調整を目的に施術を行います。

● 期待できる効果

  • 顎まわりの筋肉の緊張を緩和

  • 頭痛・肩こりの緩和

  • 自律神経の安定

  • ストレスや緊張の軽減

● 根拠となる研究

  • 鍼治療が顎関節や咀嚼筋の痛みを軽減した(Serritella et al., 2021)

  • 鍼・レーザー鍼が筋性顎関節症に有効(Journal of Oral Rehabilitation, 2023)

これらの研究から、鍼灸は医療的アプローチを補完する有効なケアとして注目されています。


■ まとめ

噛みしめは、ストレス・姿勢・睡眠・筋肉の緊張など、複数の要因が関係しています。
そのため、
「歯科治療で噛みしめによる負担を減らす」+「鍼灸で筋肉と自律神経を整える」
という併用が、もっとも効果的と考えられています。

● こんな方は、一度ご相談ください

  • 朝起きるとあごが疲れている

  • 頭痛・肩こりがよく出る

  • 食いしばりで歯がしみる

  • ストレスで体がこわばりやすい

噛みしめは身体からのサイン。
早めのケアで、あごや全身の負担を減らしましょう。

当院はしっかりカウンセリングを行い、当院の症例や論文を用いて患者様に合った施術をご提案します。