2024/04/17 13:42

痛みは、私たちの体が何らかの組織損傷や炎症に反応する際に生じる一連の信号の一つです。

組織損傷が生じると、炎症メディエーターとして知られる化学物質が放出されます。その中でも特に強力なのがブラジキニンです。

ブラジキニンは神経にあるポリモーダル受容器を刺激し、痛み信号として脊髄から大脳皮質へと伝達され、私たちが痛みを感じる原因となります。

ブラジキニンは、その強力な作用で知られており、炎症メディエーターの中で最も強い発痛物質とされています。炎症や組織損傷によりブラジキニンが放出されると、痛みやむくみ、血圧低下などの症状が引き起こされます。

研究では、筋組織が損傷を受けると、血中ブラジキニンの濃度が上昇し、それに伴って痛みの程度も増大することが示されています。このことから、ブラジキニンが組織損傷による痛みに大きく関与していることが示唆されます。

さて、鍼灸施術が痛みを緩和するメカニズムは複雑ですが、一つは、鍼が皮膚や筋肉に刺激を与えることで、痛みを抑制する信号が伝達され、鎮痛物質が放出されたり、また炎症を引き起こすタンパク質を抑制することがわかっており、炎症反応を抑制したりすることが考えられます。