2024/03/30 19:27

筋緊張が緩和される理由について、研究から興味深い洞察が得られています。

筋肉の硬さに影響を与える要因として、神経の活動状況や筋肉内の水分量が挙げられますが、特に注目すべきは交感神経活動の抑制です。

この交感神経の偏りを抑制することが、筋肉の過緊張の緩和に重要な役割を果たしていると考えられています。

研究によると、鍼刺激によって筋肉の硬さが緩み、同時に筋血液量が増加することが確認されています。

これは、筋交感神経活動の抑制が筋肉の過緊張の緩和に関与している可能性を示唆しています。

さらに、マイクロニューログラムによる観察では、鍼刺激が筋交感神経活動を抑制する効果も報告されています。

これらの知見を総合すると、交感神経の偏りを抑制することが筋緊張が緩和されるメカニズムの一つとして考えられます。

また、鍼刺激によってCGRP(キカルシトニン遺伝子関連ペプチド)が感覚神経末端から放出され、筋肉の血管を拡張させることが明らかになっています。

これらの反応が重なり、筋肉の過緊張が緩むのではないかと推測されています。

さらに、運動神経の興奮による、ミオシンとアクチンとトロポニンの筋収縮の関係も理解することが重要です。

この関係が適切に調整されることで、筋緊張が適切に制御され、筋肉の硬さが緩和されることが期待されます。

これらの研究結果は、鍼灸や他の筋緊張緩和法の生理学的メカニズムをより深く理解する上で貴重なものです。



【参考文献】 

生活習慣病予防のための健康情報サイト 厚生労働省

鍼灸は効くのか、なぜ効くのかの 10 講:川喜田健司,(社)全日本鍼灸学会,2011年6月他